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8陣design blog > 雑感 > 『日本人が素直に語れない恐怖心とトラウマ。』
1月23日、早稲田大学で行われた緊急集会「天安門事件と08憲章を考える」に参加したことを書きます。
思っていたより分かり易い内容で、5時間という長い集会でしたが飽きなかったです。中国の民主活動家の現状を知ったのはよかったですね。自分のデザインした08憲章や天安門事件のプラカードを使ってくれているのは知っているので、どこか親近感もあります。
香港の活動家やツイッターを使った抗議行動の話し。なんというかセンスがいいんですよね。そのへんの話しは集会で講演もされた及川淳子さんのコラムをお読みください。
及川淳子 http://www.shukousha.com/column/category_8/
本題ですが、集会では「なぜ日本の知識人は中国の民主化運動に黙っているのか?」という話しになりました。
メモよりちょっと抜粋。
劉燕子さん 「08憲章や中国の民主化運動を支持してくれるのは日本では右翼だけ」 「日本人は中国の内政問題に干渉しない。内政問題と人権問題は違う」
子安宣邦氏 「沈黙せしめる中国と、沈黙する日本」
子安氏について知りたければこれを読むのが一番ですね。
NHK:爆笑問題のニッポンの教養 FILE046:「『ニッポン』を疑え」 http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20080909.html ※マイミクさんが見つけてくれました。
あー左翼の人なのね、と一言で片付けるのは簡単ですが、そういう方が中国の民主化運動の本を出したり、集会を主催しているわけで個人的には頑張っているなあ、と思いましたよ。
右と左という話しで言えば、日本で中国の民主化を訴えれば右翼というレッテルがついてきます。フリーチベットもフリーウイグルも左寄りの人権運動のはずですが、日本では反中国共産党は右寄りの枠に入れられてしまう。
子安氏の講演は、解決していない政治的立場の葛藤と、それを客観視して分析することも出来ない苦しい内容でした。自分はその苦しさにドラマを感じて魅力を感じてしまったりするのですが、しかし活動家の人たちが見れば、中国共産党のせいでたくさんの人たちが死んだり苦しんでいるのに平和ボケな悩みだな、と一蹴されてしまうでしょう。
じつは子安氏だけではないですね。中国の人権問題を知ってしまい無視できなかった知識人の人たち。中立の立場だ、中国政府に抗議するつもりも対立するつもりもない、研究であり政治活動でない、と訴えても中国政府の政策批判を広めていることは何も変わらない。
子安氏が面白いのは「日本人はなぜ黙っているのか?」とテーマとして上げているところ。
子安氏の集会の文章はこちらで読めます。迷走しているなというのが個人的な感想。 http://homepage1.nifty.com/koyasu/remark.html
で、自分が考える日本人が黙っている理由。それは恐怖心です。日本の様々なタブーの一つに中国が入っていると自分は考えています。経済とか構造的な理屈の前に、とにかく関わらないほうがいいことの一つになっている感じです。
他国の問題だから日本人は関心がないというのは嘘ですね。知らない人は別として、日本人の身近に影響する問題だから関わらないようにしている人が多いのではないか、と最近考えるようになりました。
自分に影響のない他国の話しなら人権問題として堂々と声を上げられることもできるわけで、そして知れば知るほど距離を置くべきだと考える人もいるでしょう。
上野の聖地チベット展の抗議で、アピールしているチベットサポーターが「こんなことして危険じゃないんですか?」というような声のかけられ方をしたという話しを何度か聞きました。正直に言ってしまえば、日本でフリーチベットの活動することは危険です。
ここで黙っている人や抗議しない人を否定するのは簡単ですが、ある意味、関わらない理由は複雑ではないと考えています。恐くて危険でトラブルになって利益にならないようなことに自ら近づく人もいないでしょう。
問題はやらない理由より、やっている理由です。
なぜフリーチベット、フリーウイグルに参加するのか? なぜ中国政府に抗議するのか?
そして、子安氏がなぜ08憲章の本に関わったのか?
子安氏が黙っていられなかった理由にこそ意味があるわけです。「沈黙せしめる中国と、沈黙する日本」といって東アジア共同体を批判し、民主主義の自由なアジアのために強い抵抗線を引くべきだと訴える、その考えはどこから来たのか。。。
「なぜ黙っているのか?」の答えはそこにしかないでしょう。
2010年01月29日(金曜日)
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